【連載コラム】看護師と動物看護師と地域防災:西村裕子

2017年11月30日更新

看護師目線のウソ・ほんと!賢い市民を増やすピンクロコラム

  防災ナース

View : 201   ピンククロス事務局

看護師と動物看護師と地域防災

コラムニスト:西村裕子(看護師・動物看護師)

動物看護師として日々の業務を行いながら「このままで良いのだろうか…」と考えたことはありませんか?
毎日忙しいけれど、好きな動物に関わり充実もしている。職場も人間関係もよく、多少なりの不満もあるけれど頑張れている。
なのに何か満たされない思い…

はじめまして、この度コラムを掲載することになりました西村と申します。
簡単なプロフィールをお伝えしますと…私は、認定動物看護師資格を持ちながら、人間の看護師資格も持つという欲張りな人間です。
動物看護師は、約7年経験し、その後人間の看護学校へ入学、三十路を過ぎて看護師になりました。その後は、市立病院などで勤務をし、専門学校の教員へ。昨年、2年間大切に育てました認定動物看護師を送り出しました。現在は医療的ケア指導員として勤務をしております。おおまかに動物看護師から3回職業を変えておりますが、「看護」という根っこの部分は、私の全てですし天職だと思っております。看護を仕事に就てから、早いもので20年が経とうとしております(年齢がバレバレですね)。
命と向き合うことは、辛く苦しい時もありますが、命の可能性と輝きに魅了され、これほどまでに愛おしく美しいものは無いと思っております。また多くの方々との相互の関わりがあり、私はここまで来ることができました。様々な事件?もたくさんありましたが、これらのエピソードは、少しずつ掲載して行けたらと思っております。

そんな変わった経歴の私ですが、動物看護師として働き始めました最初の3年間は、皆様もご経験されていると思いますが、社会人として、ただただがむしゃらに仕事を覚えた3年間でした。3年も過ぎれば、少しずつ仕事にも慣れ、周りも落ち着いて見ることができます。その頃からです、上記に記載したような思いが少しずつ出始めたのは…。
当時動物看護師という仕事は、今のように確立されてはなく、獣医師が行うこと以外は、すべて指示通りに行う…そこに、自分らしさや看護の領域という専門性が絶対的に不足していました。このまま与えられた仕事をこなす日々で良いのか?そんな思いが弾け飛んだとき、人間の看護学校へ入学しておりました。

看護学校では、看護においての正確な知識と動物看護師として自分が行なってきたことへの根拠を習得することができました。まさしく看護は実践の科学なのです。学ぶことと経験を積むことで更により良いものへと変化して行くのです。それが面白くて仕方ない間に、人間の看護師へとなっておりました。

人間の看護師として働くうちに、自分のルーツはやはり動物看護であることをいつも思い知らされていました。多分、勤務先が小児科病棟だったいうこともあり、母親と小児の関係は、飼い主とペットという関係によく似ているのです。動物に携わる仕事がしたい!そう思うようになった頃、有り難い事に認定動物看護師育成のお話を頂きました。
しかしお給料は減給です。やりがいと天秤をかけてと言われましても、まだ看護学校時の奨学金の支払いも残っている状況でしたので、とても悩みました。ですが、やりがいを選ぶ事にし専門学校の教員となったのです。
専門学校での2年間は、生徒とともに私自身も学ぶことの多い充実した日々でした。若くキラキラした動物看護師の卵たちからは、思いも寄らない考えを提供され一緒に悩む事がとても楽しかったです。また生徒の実習時は、県内あちらこちらの動物病院へ訪問させて頂きました。動物病院は、人間のように?科というものはありません。動物の全てを診ますし、種類も「人間だけ」ではなく、家畜から犬猫、うさぎにハムスターのようなエキゾチックアニマルまで多種多様です。それらの動物の診療介助をするのが動物看護師ですし、人間でいう医療事務から薬剤師、オペナースやICUのナースの役割など、ありとあらゆる役割を動物病院という場で必死に実践しています。これだけ多様な役割を担って仕事をしているのに…未だその地位が確立されていない動物病院が多々見受けられます。獣医師の中には、動物看護師を専門職として育てようとして下さる先生もおられます。
ですがそうではない動物病院があることも確かです。

そういった職場にいたならば「このままで良いのだろうか…」と感じることもあるのではないでしょうか?
これだけの仕事をしているのに、何か満たされない…そう思う時は、ないでしょうか?私もその1人でした。だからこそ自分の人生の中で、職場を変えながら探し求めてきました。そんな中、出会ったのはPINK CROSS活動です。人間の看護師と動物の看護師とが協力し合い、地域防災に携わっていくというプロジェクトが立ち上がりました。これほどまでに自分が望んだことはない!そう確信致しました。タイミング的にも運命の歯車が回っていました。家族の仕事の関係で、田舎から関東へ引っ越し地震がとても多いこと、また環境省から「ペットの同行避難」が推奨されたのもあり、言おうがなしに災害に目が向いていたのです。できる事をと思い、ペットセイバー資格やペット災害危機管理士資格を取得していた所でした。

災害における私の目標は、とても小さなものです。災害時、一緒に避難した家族(犬2匹、フェレット、ハムスター)を雨風凌げる場所に入れてあげたい。できることならば同伴避難したい。だからこそ動物の専門家として避難所にて周りを引っ張っていけるそんな存在でありたい!です。
資格や災害知識に根拠を持つことで、自信を持って声が挙げられる!避難所という小さなコミュニティにおいて現場を任せて貰えると考えております。またそういった視点が持てたならば、小さなお子さんを抱えた方や、1人で避難されてきた方、障害のある方や介助犬、病気と共にある生活を送られている方にも、避難所にてできるだけ困ることがないように活動して行けると私は考えております。災害時、大切な家族の安寧を守るため動物看護という視点を持った専門職として一歩を踏み出してみませんか?
そのためには、必ず準備がいりますし、それは1人ではできません。だからこそPINK CROSSのような活動を利用すべきだと思います。
何気ない日常に流され、「このままで良いのだろうか…何か自分にしかできないことがあるんじゃないか」そんな考えをスルーしてしまうのではなく、踏み出してみることで昨日とは違う何かを手に入れることができるかもしれません。生徒にもいつも伝えておりましたが、動物看護師は、獣医師の援助者ではないのです。立派な専門職であり、自ら動物にとっての最良考え、自分にしかできない看護を見つけることができる存在なのです。
身の回りの小さなコミュニティから始めることで、学び備え救える命を増やしていく…
そんな活動をこれから一緒に実践して行きたいと私は思っております。また動物看護師という仕事の職域を広げていきたいです。
なんだか文章が熱くなってしまいましたが、もともとこんな人間ではありません。
人間の看護師さんの世界を見ておりますと、動物看護師さんは、なんて控えめで遠慮がちな方が多いのだろうと思います(人間の看護師さんを敵に回すつもりはないです汗。ごめんなさい。)何をお伝えしたいのかと申しますと、「このままで良いのだろうか…」と思っているのならば専門職としての一歩を踏み出して頂きたい!その一点です。
防災ナースは、敷居が高い気がしますが(実際私もそう思っておりました笑)これを読んで下さっているあなたのほんの数十メートル範囲を守るためのナースなのです。
そのネットワークが広がれば、救われる命が増えて行きます。
全国のあちらこちらに動物看護師の防災ナースが誕生しますよう、私もこれからもコラムを書いていきたいと思います。

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